名古屋大須のレンタルスペース-maison shintenchi (メゾン シンテンチ) –,名古屋大須のレンタルスペース

169(いろく) インタビュー

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レンタルスペース maison shintenchi(メゾンシンテンチ)では11月2日~11月5日の4日間、
フォトグラファーの169(いろく)さんによる写真展「写真の箱で眠らせてほしい」を開催いたします。

より多くの方に169さんの事を知っていただくため、今回の展覧会についてお話を伺いました。

 


今回の展覧会についてお聞きします。

 

今回の展示「写真の箱で眠らせてほしい」のイメージや、コンセプトなどありましたらお聞かせください。

―この1年間私は自分ためにセルフポートレートを撮り続けてきました。
他人といると自分を否定してしまう私が私という軸を持つため、誰からも私からも忘れられないようにここにいると声を発し続ける唯一の手段でした。
けれど声を発し続けることはしんどくて、かといって発するのをやめてしまったら存在が消えていく気がして、安心できるのは写真の箱の中にいる時だけでした。
写真の箱で眠らせてほしいというのは、そんな終わりの見えないしんどさと不安から解放されてこのまま安らげる場所にいさせてほしいという願いです。
展示を通してこれまでの写真に囲まれた箱をつくることで、私はようやくずっと望んでいた場所をつくることができました。


169(いろく)さんについてお聞きします。

 

普段はどのような活動をされていますか。

―主にはフィルムカメラを持って、撮りたいように撮りたい場所でセルフポートレートを撮っています。
好きな世界観が同じ人とは不定期で被写体をやらせてもらったり、セルフポートレートでは表現しきれない時はカメラマンとして撮影させてもらうこともあります。

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169 instagramより(@myk3i4)


写真や表現活動にはいつごろから興味があったのでしょうか。

―写真は小さい頃から好きでした。ただあくまでも家族や友人と旅行したときに撮ったりする程度で、表現活動として写真に興味を持ち始めたのは2年ほど前からです。


169(いろく)さんのInstagramを拝見すると、セルフポートレートを中心に作品制作をされていますが、ご自身を撮り始めた経緯などあれば教えてください。

―初めは被写体として写真の世界に入りました。
けれど人に自分の想いを伝えることやイメージを話すことが苦手で、カメラマンさんのことや周りにどう思われているのかを意識しすぎて好きなように振る舞えなくなっていきました。
それがすごくしんどくて、かといって伝えることもできなくて。だったらいっそ撮るのも全部自分でやってしまおう、それなら好きなようになんでもできると思い、自分で自分を撮り始めました。

 

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169 instagramより(@myk3i4)


フィルムカメラでの撮影のいいところや難しいところを教えてください。

―いいところは、撮りたいと思ったイメージを感覚のまま撮れるところです。
デジタルだと何度も確認できたり撮り直しができてしまう分、最初に何を撮りたかったのかがわからなくなってしまうので苦手です。
あとデジタルはハイテク過ぎて全てを暴かれてるようで怖くなります。自分が好きで撮っているというよりはコンプレックスがあるから撮っているのに、見たくないところまで見せつけられてるようで。
その点フィルムは粒子が荒く安心します。
難しいところは、良いところと表裏一体ですが、現像に出すまで結果がわからないところです。


カメラはどのような機種を使われていますか?こだわりなどあれば教えてください。

―カメラはolympusのL3という1キロくらいある大きなものを使っています。
多重露光もできて、マクロも望遠もこなしてくれるし、オートでカメラ任せにしておけばほとんど失敗しない強い味方です。


最近注目しているもの、興味があるものを教えてください。

―短歌に興味があります。写真に題名をつけたり、言葉を挟むのはなんだか苦手なんですが、短歌だと写真にすっと言葉をつけられる感じがします。
セルフポートレートを撮るのがしんどくて、でも撮らずにいるのもしんどくて、とにかく好きな撮影場所の青い壁のところに撮りにいこうと思ったとき
「晴れたなら あの青い壁を背に向けて 写真の箱で眠らせてほしい」
っていう短歌がすっと頭に浮かびました。文章にすると自分の言いたかったことが分からなくなってきたりするのですが、短歌のように制限があると言いたいことがギュッと凝縮される気がします。


好きな作家や影響を受けた人や物はありますか?

―画家のグスタフ・クリムトは初めて作品を本で見たときからすごく好きで、実際にウィーンの美術館で彼の作品を見たとき絵画だけど絵画じゃないと思いました。
本で見たのとは全く違った迫力があって、一枚の絵とは思えない立体感と色使いで、実物はこんなにも凄いのかと思いました。
写真も携帯越しのデータじゃなくてプリントして、一枚の写真なんだけど写真じゃないような作品をつくりたいと思うようになったきっかけはきっとクリムトの影響だと思います。

 

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169 instagramより(@myk3i4)

 


今後やってみたいことはありますか?

―海外でセルフポートレートを撮りたいです。日本より街にたくさん色があるし、誰も知らない土地だったら人目を気にせずに好きなところに三脚立てて撮影できそうな気がして。
あとは、何かをつくることに興味があって、漠然と服を作りたいと思っています。
今までは撮影用の服を古着屋さんなどに探しにいっていましたが、もしそれを好きなようにつくることが出来たらもっと撮りたいイメージが広がって楽しそうだなと思っています。


169さん、お忙しいところありがとうございました!
皆さまぜひこの機会に作品をご覧ください。

 

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169(いろく) 「写真の箱で眠らせてほしい」

【開催日時】
2017.11.02〜11.05
11:00〜19:00


169
169cmのいろくです。
被写体から写真の世界に入り、自分の声を聞くためにセルフポートレートをはじめました。
私しかいない写真の箱の中で剥き出しの自分を知ることで、私という軸を持ち強く生きていける気がします。